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日本ビオトープ協会誌「ビオトープ」 No.7

コラム 学校ビオトープについて

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 日本ビオトープ協会の姉妹関係にある自然環境復元研究会は、今年で十周年を迎えることになりました。発足当時は、まだビオトープの語も知らず、私は「生態系濃縮園」とか「アークランド」という名前を付けて呼んでいました。アークというのは箱舟のことで、例のノアの箱舟が生物を滅亡から救うシェルターの役目を果たしたことにちなんでつけたものです。
 それ以後の展開は私も驚くばかりで、社会の潜在需要を探し当てれば、このようなことも起こりうるのかという感慨があります。浮き世離れした学者としては分に過ぎたことです。
 今では、復元研究会結成当時の十人の同志はそれぞれ大先生格となり、忙しすぎて幹事会も思うにまかせない有様です。そして、第二陣、第三陣に当たる若い人たちの活躍も目立ちはじめ、私などはそろそろ引退しないと目ざわりかと考えています。
 それでも最後に何かできないかと考えていたところ、ビオトープづくりの様々な流れの中に、新たに「学校ビオトープ」が加えられたことを知り、このあたりが最後のご奉公として適当かなと考えました。
 本協会会長の秋山恵二朗氏も、協会結成以前から、大変熱心に小中学校へのビオトープの導入を考えておられていましたが、当時はまだ機が熟していなかったわけです。
 それが、最近になって急に展開しはじめたのは、ひとつには小中学校に総合教育というこれまでにない科目が設置されようとしていることによると思われます。これまでの教育が専門分野に分かれすぎていたことで、子供達に自然や社会を総合的に把握する能力が養われないことの反省に立って、文部省が打ちだした方針のひとつです。学校ビオトープは総合性という見地からきわめて優れた内容を持っています。理科、社会、美術、技術などの科目にかかわりがあるだけでなく、環境教育には直接の教材となります。また、その造成や維持管理に地域住民が参加することになれば、地域に開かれた学校への展望が期待できます。
 「学校ビオトープ」づくりを推進するために、現在静岡県を中心とした中核組織づくりが進められています。また、先号で本誌に執筆された赤尾整志氏を中心として、関西での組織づくりが進められていて、それとの協力によって全国ネットワークも計画されています。静岡県では、村上敏氏が中心となり、秋山恵二朗氏と協力して組織づくりがされていますが、常葉学園短期大学の山田辰美氏によって、「ビオトープ教育入門」という立派な本が最近農文協から出版されました。東海大学の成瀬修一氏もこの問題には深い関心をもっておられます。これらの人々によって、学校ビオトープづくりは着々と進められてゆくことと思います。

(杉山恵一)




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